
認知症は、ものごとをすごく忘れやすくなったり、できていたことができなくなってしまう脳の病気です。歳をとればとるほど認知症になりやすくなるので、認知症になるのは長生きの証拠と言ってもよいかもしれません。
しかし、認知症の方の中には、ありもしないことで興奮したり、夜じゅう見えない人と会話したりという症状が出る方がいます(周辺症状)。本人は自分がおかしいとは思っていないので、こういう症状があると家族はとても疲弊してしまいます。でも、困った家族が本人を病院に連れて行こうとしても、本人はたいてい頑として動きません。
そういう方のために当院では、ご家族のみでの来院相談や、場合によっては専門医による訪問診療を行っています。お気軽に訪問診療室(0479−60−0601)までご相談下さい。
(現在訪問スタッフは、医師・看護師・精神科ソーシャルワーカー・事務員の4人です)
現在、認知症で問題行動が出てきた場合、一般的には精神科病院で入院・治療します。これは暴力などを家族は極限まで我慢して、最後は「だまして」病院に連れていくため、そのまま入院させざるを得ないのです。
しかし、認知症の方は環境の変化にとても弱いため、入院が決まって「家族に見捨てられた」と思うと非常に興奮します。そのためはじめは手足を拘束され、大量の鎮静薬が使われます。これにより、そのまま寝たきりとなってしまったり、認知症が急激に進んでしまうことが少なくないばかりか、入院早期に亡くなることも決してめずらしくありません。
入院してもう一つ問題になることに、「退院できない」ことがあります。入院まで家族は相当苦労していて、場合によっては近隣にも迷惑をかけている上、退院しても通院や再入院が容易でないため、なかなか自宅退院が難しいのです。その結果、本人は病院や施設で最期を迎えざるを得ないため、社会的にも病院や施設が不足しています。自分が認知症になったらと思うと大変さみしいですが、こういったことは仕方のないことだとされています。
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当院では、こういった状況を少しでも改善できるよう、認知症の方の訪問診療に取り組んでいます。これなら本人が病院に来なくても診察できますし、少しの薬で数日で症状の改善が得られることも少なくありません。本人の尊厳を損なうこともなく、家族も本人のことで傷つくことが少ないです。その上入院よりずっと安上がりと、よいことづくめです。
ただ現在のところ、認知症の訪問診療はまだまだ一般的に行われる状況ではありません。病院にとっては入院に比べ収入が少ないのに加え、そもそも全国的に認知症を専門に診る医者が少ないからです。そういった中、先日上野医師は、厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」に招かれて、認知症の訪問診療の必要性をお話しました。一日も早くこのようなシステムが全国に広がるよう、わたしたちは願っています。
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| 2010年9月30日、厚労省の検討チームで提言 (写真は介護CBニュースより。「上野秀樹」で 記事検索すれば、記事を読むこともできます) |
2010年12月17日づけの産経新聞でも特集されました。 その後も2011年3月18日(震災対応について)、 8月16日(シンポジウムの案内)なども紹介されています。 |
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| 2011年8月2日の読売新聞で特集されました。 | 2011年8月22日のNHKニュースで紹介されました。 |
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